最終更新日 2024年10月24日 by hawri
1)株式会社アトックスの事業内容
株式会社アトックスの事業内容は、福島原子力発電所の事故の収束を最優先課題として、積極的に除去作業や放射線管理、環境修復や放射性廃棄物の処分などを行うことです。
福島原子力発電所では、基準値を大きく超える放射性物質が多数確認されており、防護服を着用した作業員を現地に派遣したとしてもできることは限られてしまいます。
そこで、株式会社アトックスでは数多くの放射能除去ロボットや監視用のドローン、放射性物質で汚染された冷却水などを除去する機械などを開発し、現場に送り込んでいます。
参考HP:アトックス福島復興支社のみなさん |インタビュー|1 FOR ALL JAPAN|廃炉のいま、あした
もちろん、施設内では防護服を着用していたとしても、無防備に近い作業員がいくらか在籍しているので、彼らを守るためにも基準値を超える放射能を検知することができる精度の高い測定器を提供しています。
精度の高い測定器を使用したとしても、防護服や作業に使用した器具などに付着した放射性物質は除去しなければなりません。
放射能除去用の器具を使用するとともに、作業場の入退室管理などを徹底することで被爆してしまうリスクを最小限にしているのです。
原子力発電所の冷却に使用した汚染水は、セシウムやストロンチウムなどの人体に有害な放射性物質が数多く含まれています。
この汚染水をそのまま海に流してしまうと、海洋生物が放射能によって汚染されてしまうだけでなく、周辺住民にも危害を与えてしまうことになるので、汚染水の放射性物質を除去することで海に流さないようにしています。
除去装置は軽トラックで運搬できるように小型化がされているので、福島の原子力発電所の全ての作業場で使用することが可能です。
2)汚染水の処理装置のさらなる開発に邁進
汚染水の浄化の仕組みは凝集剤を使用しており、これが汚染物質を沈殿させ、分解することによって綺麗な水にすることができます。
必要に応じて汚染された冷却水を基準値よりも更に浄化させ、再び冷却水として利用できるようにすることができるようになっているので、汚染水のこれ以上の増加を防ぐことができるでしょう。
福島第一原子力発電所付近の使用済み汚染水は、現在も増加の一途を辿っています。
これ以上増え続けてしまうと、汚染水の保管場所が無くなってしまうだけでなく、周辺住民にも何らかの風評被害を与えてしまい精神的に苦しめてしまうことになりかねません。
このようなことを防ぐためにも、株式会社は汚染水の処理装置のさらなる開発に邁進しています。
汚染された物質は、原子炉の冷却に使用された冷却水だけではありません。
原子炉付近の観測に向かったロボットや作業員の防護服に加え、周辺の除去作業に使用したホースやパイプなどの固体の物質も存在します。
これらの固体の汚染された物質は、先程の汚染水を除去する方法では除去は不可能です。
そこで株式会社アトックスでは、固体の物質を適切に除去するために、物質の破砕や焼却を行うことができる器具を提供しています。
内部は汚染された物質を入れる投入口と固体を破砕する部分、集塵する部分などがあります。
もちろん通常の可燃性の廃棄物の処理にも利用可能で、汎用性能は非常に高いと言えるでしょう。
原子力発電所の作業場所では、冷却水の輸送などにドラム缶が多く利用されることがあります。
3)株式会社アトックスの活動の特徴
このドラム缶は直接放射性物質を取り扱ったわけではありませんが、放射性物質が基準値を上回る場所に何度も出入りしたものなので、汚染されていることから、通常の廃棄処理では廃棄することはできません。
そこで株式会社アトックスでは、ドラム缶の廃棄を効率的にするために切断と圧縮を行う機械を提供しています。
200リットルなどのドラム缶をエアプラズマ切断によって粉々に粉砕するのです。
これにより除去が可能になるだけでなく増え続けてしまうドラム缶の処理を効果的に行うことが可能になります。
このドラム缶の破砕作業に使用されているプラズマ切断装置は現場でも利用されることがあります。
簡易に輸送できるように小型化が推進され、プラズマ切断を行うことによって除去作業の行く手を阻む瓦礫や金属製物質の破砕作業を現地で行うことができるのです。
もちろん、このプラズマ切断装置はコンピューターからの遠隔操作も可能なので作業員の負担を最小限にしつつ、安全に除去作業を進めることができます。
以上の点から株式会社アトックスでは福島第一原子力発電所の事故の収束を第一に活動しており、他の企業では開発することが難しいプラズマ切断装置や遠隔操作が可能な観測ロボットなどを数多く排出している特徴があります。
単純にロボットを排出して終わるのではなく、汚染されたロボットや汚染水、作業員の使用済みの防護服やホースなどの器具類も適切に除去した上で処分しているのです。
使用済みの汚染水が増えすぎて近隣住民に脅威を与えないように、汚染水の適切な浄化作業なども推進しています。
被爆のリスクを最小限にするためにも施設内には株式会社アトックスが作った放射能の測定器などを提供しているのです。