最終更新日 2024年10月24日 by hawri
幼稚園に通うようになると、お母さんたちの間で習い事ブームが起きたようで、私もスイミングプールに通ったりそろばん教室に通うようになりました。
スイミングスクールは身体を思いっきり動かすことができるので楽しく、水が怖いと感じることもなかったので、毎週通うことが楽しみでしょうがありませんでした。
友達の中には音楽教室や英語教室に通っている子も多かったので、母も何か情緒的な部分を伸ばすために音楽を学ばせたらどうかと考えました。
ただピアノやエレクトーンを習っている子が多かったので、他の楽器を習ったらどうかと考えたようで、私にはビオラを習わせることにしました。
最初は友達と同じようにピアノを習いたかったので、嫌々、ビオラのレッスンに通っていましたが、次第に楽しいと感じるようになりました。
ビオラを教えてくれる先生がピアノを弾いて、それに合わせてビオラを奏でると、そのハーモニーがとても美しいと子供ながらに感じたからです。
それにビオラ教室には隣の市から通っている生徒も多くて、人気のある教室だったので、年に一度は練習の成果を披露するための発表会が開催されることになりました。
一人一曲ずつ披露するだけでなく、発表する生徒が全員で集まって奏でる曲もあったので、合同練習が行われることになりました。
一番若い生徒は幼稚園生で、一番年上の生徒はサラリーマンをしている50代の男性でした。
みんなで1つの曲を奏でるにはハーモニーやタイミングが必要だったので、何度も集まって練習をするうちに、隣の市に住む女の子と仲良くなりました。
私より1つ年上の女の子ですが、私よりも比べ物にならないほどビオラが上手で、将来が音楽大学に進みたいという夢を持っていることを教えてくれました。
私は音楽は趣味でいいと感じていたので音楽大学のことは考えてもいませんでしたが、すでに将来の夢を持っていることはすごいと感じました。
その後、私は高校受験をするときに勉強に専念したかったのでビオラを習うことを辞めましたが、それでも趣味として楽しんでいました。
大学は文学部に進学しましたが、友人から音楽大学の学園祭に行かないかと誘われたので一緒に行ってみたら、コンサートホールで音大生が奏でるコンサートが開催されていました。
式目を見てみると、ビオラを担当している学生の中に、昔仲良かった1つ年上の友人の名前があったので驚きました。
ちゃんと夢を叶えたことがわかり、自分のことのように嬉しくなりました。