最終更新日 2024年10月24日 by hawri
誰しもが失敗しないで儲かるという不動産投資というのは、一昔前のこと思われがちになっています。
それは土地に関する神話、どんどん値上がりして行って下がることはない、だからお金があれば土地など不動産を買っておくといい財産となるのでいい、が崩れてしまったからです。
私の場合は、それほど強く儲けということを意識したものではなかったのですが、何かの参考になればと思い、経験を述べることにしました。
およそ20年前のことになります。
3人家族で郊外の公団住宅に住んでいました。
息子が就職し、都心に勤めることになったのですが、仕事の性質上朝早いことや夜遅いこともあるというので、ワンルームマンションを買ってやろうと考えました。
本当はアパートを自力で借りさせ、やりくりさせても良かったのですが、まだマンションが値上がりするような感じもあったので、投資と思い、購入することにしました。
およそ2,000万円でしたので、私たちにとっては大きな金額でしたが、貯金の取り崩しで対応できることから、世田谷の京王線明大前で徒歩8分のワンルームマンションを候補にしました。
幸いにして、抽選に当たり、すぐ手続きしました。
いくらまで値上がりしたら、売却しようというよなことは全く考えないで、いずれ息子が出るときに考えればいいやくらいの気持ちでした。
何年か経って、息子が結婚するので、そこを離れて、アパートを探すということになったので、いよいよどうするかを決定することになりました。
別の話ですが、息子夫婦はアパートに入ったものの、日あたりの良い中古マンションがあったので、頭金を貸してほしいという依頼があったので、結局は全て私がお金の面倒を見ました。
場所は郊外ですが、勤務の関係も変わっていたので問題はなく、駅から近いという特徴があったのが魅力でした。
急行停車駅から徒歩5分くらいで、この交通便利ささえあると、中古でも資産価値が上がることには、今でもびっくりしていいます。
話を明大前のワンルームマンションに戻します。
結局購入当時の評価に比べると、若干値下がりしていたので、売却は思いとどまり、貸し出すことにしました。
購入するときの不動産屋さんにお願いして、全ての段取りを取ってもらい、入住者からの問い合わせや依頼事項の窓口もしてもらっています。
特別な手数料はお支払いしていないので、何で儲けているのだろうと不思議ですが、契約更新時などに何等か実入りがあるのでしょうか。
さて、20年間のことを振り返ってみますと、家賃は約8万円で、相場よりは安い設定で、最初に貸したときの値段のままとなっています。
入居者は2人目ですが、その人がほとんど住んでいるという状態なので、値上げも難しい状況ではあるのですが、おなじ入居者でも契約更新時には、更新料もいただくので、まあいいかといったところです。
いただく家賃収入は、1年間でおよそ100万円ですから、20年で2,000万円となって、ようやく元が取れたということになるのでしょうか。
今現在のマンションの取引価格は、売りに出していないので正確には分かりませんが、時おり「お売りになりませんか」と電話をかけてくる複数の不動産会社の口ぶりからすると、1,000万円から1,300万円位になっているようです。
入居者をそのままでも買い上げできるというような提案まであり、気持ちが揺らぎますが、まだそのままにしています。
貸し出すときに失敗したと反省しているのは、エアコンや冷蔵庫を付けたまま貸したということで、一言修理や買い替えは入居者の負担と契約書の記載しておけばよかったのですが、それがないために、貸主負担となり、壊れたときに買い替えたという費用負担は発生しました。
でも、更新料で賄えたので、それでいいかなという感じです。
これらのことからすると、現在の取引価格が不動産投資に対する見返りということになるのでしょうか。
ということが、これまでの概要ですが、実は、私たち夫婦も年金生活に入ったので、別のメリットが出てきています。
それは、年金収入以外に固定的にある程度まとまったお金が入ってくるというのは、実にありがたいことで、経済的にも豊かになりますし、精神的にも気持ちの余裕ができるということです。
そうなると、たかがワンルームマンションと言えども、投資をして将来の役に立つものだと考え、検討する余地はあるというものではないでしょうか。
税の問題や建物補修といった面倒なことがあることも確かですが、私があの世からお迎えが来て、家内一人になったとしても、今の親切な不動産屋さんとのお付き合いができる限り、同じ状態で続けて行けるという見込みがあるので、とても心強く思えます。
ただ、このワンルームマンションと息子たちが住んでいるマンションの両方を投資という目で見てみると、共通して言える重要なことは、交通便利なロケーションであることが絶対条件で、しかも最寄駅から徒歩で10分以内ということが決め手だということになります。
これからの社会を考えると、なお一層この傾向は強くなる気配がありそうです。